アメリカ大都市の死と生 :: ジェーン・ジェイコブス
2008/1/29“ジェイコブスは、アメリカの代表的な都市について、第二次世界大戦前後の都市開発を具に調査・分析し、魅力的な都市の備える4条件を見出した。それは次のようなある意味、逆説的にも見える原則たちであった。
第一は、「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二は、「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三は、 「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。そして、第四は、「人工密度ができるだけ高いこと」。これら四条件をすべて満たす都市こそが魅力的な都市であ り続けている、ということをジェイコブスは発見したのである。
この四条件は、すべてコルビジェの「輝ける都市」と正反対の性格をしていることがすぐに見て取れるだろう。そして、「自分の大好きな街」を頭に思い浮かべよ、と命じられたならば、ほとんどの読者の思い浮かべる都市はこの四条件を満たしているのではあるまいか。”
(小島寛之 「魅力的な都市とは」より)
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ジェイコブスは都市研究における教科書的存在の名著、「アメリカ大都市の死と生」を著したジャーナリストなのですが、本書の中で彼女は「都市が多様性を持つ条件」、転じて「魅力的で活力のある都市が育つ条件」として以下の4点をあげています。
1:用途の混合
2:小規模ブロック
3:年代と状態の異なる建物の調和
4:人々の集中
ざっくり言ってしまえば東京のイメージかな。
彼女はコルビジェ等が唱える「輝く都市」理論への反対としてこのアイデアを提唱したのですが、その理由は「輝く都市」が非人間的だから。
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“ル・コルビジェやミース・ファン・デル・ローエなどがこのような「ゾーニング」の発想を持った典型的な都市デザインの巨匠であった。例えば、コルビ ジェは、「都市とは純粋な幾何学である」といい、格子状に伸びるまっすぐで幅広い道、所々にそびえる高層ビル、十分距離をとった建物の間に緑地帯が広が る、そんな都市を実際にデザインして、「輝ける都市」と名付けた。
ところがこのような思想が実践に移されたプルーイット・アイゴーやチャンディガール、ブ ラジリア等々が次々と劣悪な失敗作の都市となってしまったのだ。なぜなら、それらの都市は、とても暮らしづらく、人々を憂鬱にし、犯罪の多発する危険な都 市となってしまったからだ。
では、なぜ、この一見もっともらしく見える「機能優先の合理主義」が失敗に陥ったのだろうか。それについて間宮は、次のようにいっている。「コル ビジェが想定する人間は、じっさいに生活を営んでいる人間ではない。微妙な心理や繊細な感受性を備え、さまざまの経歴を持った人間ではなく、生物学的な意 味での人間である」”
(小島寛之 「魅力的な都市とは」)
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計算された理想都市が長期的に失敗に陥り、自然発生にまかせた都市が力強く生き残る、とはなんとも「生物学的」で面白いですね。
都市計画も、バイオメディカルも、その他広範な「システム」を作って行く作業も、アーキテクト(aka デザイナー)の哲学を探ると類似する点が多く、とても興味深い分野だと思ってます。
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・魅力的な都市とは (小島寛之)
・アメリカ大都市の死と生
・ジェーン・ジェイコブス
